手順 6: 最初のコンフィギュレーションのインプリメント - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite チュートリアル: Dynamic Function eXchange (UG947)

Document ID
UG947
Release Date
2023-11-29
Version
2023.2 日本語

この手順では、デザインを配置配線し、新しいリコンフィギャラブル モジュールで再利用するため、デザインのスタティック部分を準備します。

デザインのインプリメンテーション

  1. 次のコマンドを実行し、デザインを最適化し、配置配線します。
    opt_design
    place_design
    route_design

    place_design および route_design の両方が完了したら、次の図に示すように、[Device] ウィンドウでデザインのステートを確認します。place_design 実行後に注意すべき点は、パーティション ピンの導入です。これらのピンは、スタティック ロジックとリコンフィギャラブル ロジックとの間をつなぐ物理的なインターフェイス ポイントで、リコンフィギャラブル モジュールの各 I/O が配線されるインターコネクト タイル内のアンカーポイントでもあります。これらのピンは、配置済みデザインのビューで白いボックスとして表示されます。pblock_shift の場合、スタティック部分への接続がデバイスの該当 Pblock のすぐ外側にあるので、パーティション ピンは Pblock の上辺近くに表示されます。Pblock_count の場合は、SNAPPING_MODE が RP に追加すべきフレームを垂直方向に集めるので、パーティション ピンはユーザー定義領域の外側に表示されます。



  2. GUI で、これらのパーティション ピンを簡単に検索するには、次の作業を実行します。
    1. [Netlist] ウィンドウでリコンフィギャラブル モジュール (inst_shift など) を選択します。
    2. [Cell Properties] で [Cell Pins] タブをクリックします。
  3. 任意のピンを選択してハイライトさせます。または、Ctrl+A キーを押して、すべてのピンを選択します。Tcl ですべてのピンを選択する場合は、select_objects [get_pins inst_shift/*] コマンドを使用します。
  4. 抽象化された配線情報と実際の配線を切り替え、また、配線リソース自体の表示を変更するには、ツールバーの [Routing Resources] ボタンを使用します。デザインのすべてのネットが完全に配線されています。


結果の保存

  1. 次のコマンドを使用して、フル デザイン チェックポイントを保存し、レポート ファイルを生成します。
    write_checkpoint -force Implement/Config_shift_right_count_up_implement/top_route_design.dcp
    report_utilization -file Implement/Config_shift_right_count_up_implement/top_utilization.rpt
    report_timing_summary -file Implement/Config_shift_right_count_up_implement/top_timing_summary.rpt
  2. (オプション) 次の 2 つのコマンドを使用し、各リコンフィギャラブル モジュールのチェックポイントを保存します。
    write_checkpoint -force -cell inst_shift Checkpoint/shift_right_route_design.dcp
    write_checkpoint -force -cell inst_count Checkpoint/count_up_route_design.dcp
    ヒント: バッチ モードでデザイン全体を処理するため run_dfx.tcl を実行する場合、デザイン チェックポイント、ログ ファイル、レポート ファイルはフローの各ステップで作成されます。

    完全にインプリメントされた Dynamic Function eXchange デザインを作成したので、フルおよびパーシャルのビットストリームを生成できます。このコンフィギュレーションのスタティック部分は、この後に作成するコンフィギュレーションすべてに使用されます。このスタティック部分を隔離するには、現在のリコンフィギャラブル モジュールを削除します。配線リソースがイネーブルになっていることを確認し、パーティション ピンのあるインターコネクト タイルを拡大表示します。

  3. 次のコマンドを使用して、リコンフィギャラブル モジュール ロジックをクリアします。
    update_design -cell inst_shift -black_box
    update_design -cell inst_count -black_box

    これらのコマンドを使用すると、次の図のようにデザインで多数の変更が発生します。

    • 完全配線されたネット (緑色) の数は減少します。
    • inst_shift および inst_count は、[Netlist] ビューで空の状態で表示されます。
    次の図に、update_design -black_box を実行する前の inst_shift モジュールを示します。

次の図に、update_design -black_box を実行した後の inst_shift モジュールを示します。

  1. すべての配置配線をロックするには、次のコマンドを使用します。
    lock_design -level routing

    lock_design コマンドでセルが特定されていないので、メモリのデザイン全体 (現在はブラック ボックスになっているスタティック デザインで構成) に影響します。配線済みネットはすべてロックされた状態で表示されます (図 18 の点線部分)。配置済みコンポーネントもロックされていることを示すため、すべて青色からオレンジ色に表示が変わります。

  2. 残りのスタティック専用チェックポイントを出力するには、次のコマンドを使用します。
    write_checkpoint -force Checkpoint/static_route_design.dcp

    このスタティック専用チェックポイントはこれ以降のコンフィギュレーションに使用されます。

  3. 次のコンフィギュレーションに進む前にこのデザインを閉じます。
    close_project