report_qor_suggestions
Tcl コマンドにより自動的に適用されます。MUXF *プリミティブを使用すると、ロジック段数が多いクリティカル パスやクロック要件の厳しいクリティカル パスで有益であり、消費電力も削減されます。MUXF* は CLB 内に配置された専用のマルチプレクサー リソースで、MUXF7、MUXF8、MUXF9 があります。これらのリソースは、配置中に 8 個までの LUT にグループ化されます。このグループ化により CLB 入力の使用率および配線要求が高くなり、ネットリストの接続性が複雑な場合に配置の柔軟性が制限されることがあり、配線の密集度が高くなってタイミングが悪化することがあります。
さらに、opt_design
コマンドでは、配線性を向上するために MUXF* 構造を LUT3 プリミティブにリマップするオプションのマルチプレクサー最適化フェーズを実行できます。-muxf_remap
オプションを使用すると、すべての MUXF* セルをリマップできます。または、密集した領域の一部のセルで MUXF_REMAP プロパティを TRUE に設定し、マルチプレクサーのリマップの適用範囲を制限します。MUXF_REMAP プロパティが TRUE に設定されたすべての MUXF* セルに対して、opt_design
の実行中に MUX 最適化が実行され、LUT3 にリマップされます。
次の図に、MUXF* 最適化の前後の 16:1 マルチプレクサーを示します。
MUX 最適化を実行した後にネットリストをさらに最適化するには、-remap
オプションを -muxf_remap
オプションと共に使用します。これにより、可能な場合に、MUXF* 最適化で生成された LUT3 プリミティブが接続されたロジックと結合されます。
配置または配線後にログ ファイルまたはデザイン解析レポート (report_design_analysis
-congestion
) の [Router Initial Estimated Congestion] 表を確認することにより、配線の密集がタイミング クロージャに影響しているかどうかを判断できます。
次の図のデザイン解析/レポートは、デバイスの 7% が South 方向の Short 密集レベル 5 (32x32 CLB) による影響を受けており、対応する密集エリアで 26% の MUXF が使用されていることを示しています。
Vivado IDE では、デザイン解析レポートの表で行を選択すると、対応する密集エリアが Device ウィンドウでハイライトされます。次の図では、MUXF の使用率が高いエリアで密集がオーバーラップしています。Vivado IDE の [Tcl Console] ウィンドウで次のコマンドを使用して MUXF セルをマジェンタ色にハイライトしています。
highlight_objects -color magenta [get_cells -hier -filter REF_NAME=~MUXF*]
MUXF* は CLB 内に配置された専用のマルチプレクサー リソースで、MUXF7、MUXF8、MUXF9 が含まれます。これらのリソースは配置中に 8 個までの LUT とグループ化され、CLB 入力の使用率および配線要求が高くなり、配置の柔軟性が低下します。CLB ごとの密集の見積もりは、Vivado IDE メトリクスを使用して表示されます。
MUXF* の使用率が高いエリアと密集度が高いエリアがオーバーラップする場合は、AMD では MUXF* に対応する機能を LUT にマップして MUXF* の数を削減することをお勧めします。LUT はより柔軟に配置配線できます。XDC 合成制約で次のコマンドを使用して、ネットリストを変更します。
set_property BLOCK_SYNTH.MUXF_MAPPING 0 [get_cells inst_name4]
合成、配置、および配線を再実行すると、デザイン解析レポートの密集の表がアップデートされ、South 方向の Short 密集のレベルが下がり (レベル 4)、これにより通常タイミング結果が向上します。