SSI デバイスのクロックに関する追加の考慮事項 - 2023.2 日本語

FPGA および SoC 用 UltraFast 設計手法ガイド (UG949)

Document ID
UG949
Release Date
2023-11-29
Version
2023.2 日本語

一般に、前述のクロックに関する考慮事項はすべて SSI テクノロジ デバイスにも当てはまりますが、これらのデバイスをターゲットにする場合は、その構造のため追加の考慮事項があります。BUFMR を使用する場合は、SLR の境界をまたぐクロック リソースは駆動できません。そのためAMDでは、BUFMR を駆動するクロックを、SLR 内の中央クロック領域にあるバンクまたはクロック領域に配置することをお勧めします。これにより、SLR の左側または右側にある 3 つすべてのクロック領域にアクセスできるようになります。

グローバル クロッキングに関しては、デザインに必要なグローバル クロック (BUFG) が 16 個以下の場合は、追加の考慮事項はありません。ツールにより競合が発生しないように BUFG が自動的に割り当てられます。必要な BUFG が 17 個以上 32 個未満の場合は、ピンの選択および配置に注意を払い、グローバル クロック ラインの競合やクロック ロードの配置によってリソースの競合が発生しないようにする必要があります。

その他すべての AMD 7 シリーズ デバイスと同様、CCIO (クロック兼用 I/O) およびそれに関連する CMT (クロック マネージメント タイル) は、SRL 内で駆動できる BUFG に制限があります。SLR の上半分または下半分にある CCIO は、その SLR の上半分または下半分にある BUFG のみを駆動できます。このため、ピンおよび関連する CMT は、すべての SLR の上半分または下半分で必要な BUFG が合計 16 個以下になるように選択する必要があります。このようにすると、すべてのクロックが競合なしですべての SLR を駆動できるように、ツールですべての BUFG が自動的に割り当てられます。

33 個以上のグローバル クロックが必要なデザインでは、AMDでは小さいクロック ドメインには BUFR および BUFH を使用して、必要なグローバル クロック ドメインの数を減らせるかどうか試してみることをお勧めします。BUFR と BUFMR を一緒に使用すると、SLR の半分 (Virtex 7 クラスの SLR の場合、約 25 万個のロジック セル) を占める 3 つのクロック領域内のリソースを駆動できます。垂直方向に隣接したクロック領域では、左側と右側の BUFH 両方を小さいスキューで駆動できるので、SLR の 1/3 (約 16 万 7 千個のロジック セル) のクロック ドメインがイネーブルになります。

これらのリソースをできるだけ使用すると、クロック リソースの競合に関する考慮事項が減るだけでなく、全体的な配置も改善されることが多いので、パフォーマンスおよび消費電力も改善されます。

SLR 半分以上または複数の SLR を駆動するクロックが 33 個以上必要な場合は、BUFG グローバル クロック スパインを分割できます。SLR 周辺の垂直グローバル クロック ラインには絶縁バッファーが存在するので、異なる SLR の同じ垂直グローバル クロック トラックにある 2 つの BUFG を競合なく使用できます。この機能を使用するには、ユーザーの制御および操作がさらに必要となります。次の図では、3 つの SLR にある BUFG0 から BUFG2 が絶縁されているので、それぞれの SLR 内に独立したクロックが含まれます。BUFG31 ラインは絶縁されていないので、同じ BUFG31 (図の SLR2 内) が 3 つの SLR すべてのクロック ラインを駆動するようにし、ほかの SLR の BUFG31 はディスエーブルにする必要があります。

BUFG を注意深く選択し、手動配置 (LOC) する必要があります。各クロック ドメインのすべてのロードを手動でグループ化し、適切な SLR に配置してクロック競合が発生しないようにする必要があります。すべてのグローバル クロックが配置され、すべてのロードがクロック競合がないように管理され、クロックがすべてのロードに到達できるようになっていると、32 個を超えるグローバル リソースを使用できるようになります。

図 1. SSI デバイスのクロック ラインの絶縁 (オプション)