幅の広いバスが SLR 間をまたぐ場合 - 2023.2 日本語

FPGA および SoC 用 UltraFast 設計手法ガイド (UG949)

Document ID
UG949
Release Date
2023-11-29
Version
2023.2 日本語

幅の広いバスが SLR 間をまたぐデータフロー要件がある場合は、パイプライン ストラテジを使用してタイミング クロージャを改善し、長いリソースの配線密集を低減します。AMDでは、250 MHz を超える周波数で動作する幅の広いバスには、少なくとも 3 段のパイプラン (SLR の一番上に 1 段、一番下に 1 段、真ん中に 1 段) を使用して SLR 間をまたぐようにすることをお勧めします。クロック周波数が非常に高いバスの場合や、水平方向に横切ったり、垂直方向に縦断したりする場合は、さらに多くのパイプライン段が必要になることもあります。

次の図に、vu190-2 デバイスで SLR 間をまたぐワースト ケースの状況を示します。この例では、SLR0 の左下の Interlaken 専用ブロックから、SLR2 の右上に割り当てられたパケット モニター ブロックに到達しています。パケット モニターを行き来するデータ バスに対してパイプライン レジスタがないと、デザインはタイミング要件である 300 MHz を大差で満たすことができません。

図 1. SLR 間をまたぐデータパス (パイプライン フリップフロップなし)

SLR0 から SLR2 に転送しやすくするため 7 段のパイプラインを追加すると、デザインのタイミング要件が満たされるようになります。これにより、次の図に示すように、垂直方向および水平方向の長い配線リソースの使用も削減されます。

図 2. SLR 間をまたぐデータパス (パイプライン フリップフロップを追加)

ヒント: SLR をまたぐ幅の広いバスのタイミング クロージャを達成するには、AXI Register Slice IP またはカスタム自動パイプライン IP を使用します。