GTY トランシーバーのブレークアウトのユース ケース

ダイアモンド ジョグ BGA ブレークアウトの配置 (WP538)

Document ID
WP538
Release Date
2022-09-14
Revision
1.0 日本語

次に、 Virtex® UltraScale+™ デバイス (VU23P) の SFP (Small Form-factor Pluggable) データ バスの代表的な GTY トランシーバー ブレークアウト例を示します。この図で、RX 信号 (濃いピンク色) は第 3 層、TX 信号 (薄いピンク色) は第 5 層に配線されています。

図 1. GTY トランシーバーのブレークアウト

次の図に、同じ差動ペアの反対側の SFP SMT コネクタ終端部を示します。オレンジ色の矢印で示しているのは、ビア イン パッド以外への理想的なエントリです。黄色の矢印で示しているのは、最適でないエントリです。

図 2. 差動ペア トレースの SFP SMT コネクタ終端部

SFP のエントリに配線ループバックがあり、これが P-N スキューと信号忠実度に影響を与えるため、SFP エントリは最適ではありません。FPGA 側で P-N スワップを実行することにより、SFP エントリのループバックを 2 つに減らすことができます。ただし、ジョグ ビアが隣接する GTY トランシーバーのブレークアウト ペアに近くなるため、近接の問題は悪化し、ビア-パッド間がクリティカルな距離まで短くなります。これを次の図に示します。

図 3. 標準的な対角ビア ブレークアウトと P-N スワップ後の対角ビア ブレークアウトの比較

次の図に、今回提案する新しいブレークアウトを示します。このブレークアウトでは、パッド-ビア間の距離が最大となり、ビア構造における配線の交差がなく、4 つのループバックが 1 つにまで減少します。ビア構造のブレークアウトを混合することで、ビア-パッド間の距離を最大にし、トレース近接のすべてのインスタンスを取り除くことができます。このダイアモンド ブレークアウトによって P-N スワップが可能となり、DSFP コネクタ側でのループバックを取り除くことができます。この図について説明します。

  • オレンジ色で囲んでいるのはダイアモンド ジョグ ブレークアウト
  • 黄色で囲んでいるのはサウスイースト対角ジョグ ブレークアウト
図 4. 今回提案するブレークアウトによりループバックが減少