高シグナル インテグリティのビア構造

ダイアモンド ジョグ BGA ブレークアウトの配置 (WP538)

Document ID
WP538
Release Date
2022-09-14
Revision
1.0 日本語

このセクションでは、対角ジョグ ビア構造とダイアモンド ジョグ ビア構造のシミュレーション結果を詳しく比較します。

次の図に、対角ジョグ ブレークアウトとダイアモンド ジョグ ブレークアウトの例を示します。近接度が、密な近接 GND ビアと疎な近接 GND ビアの 2 つの GND ビア環境で、ブレークアウトによる違いを比較しました。理想的なのは、密な近接 GND ビアの方です。ただし、デバイスのピン配置によっては、疎な近接 GND ビアしか使用できないことがあります。

図 1. 密な GND ビア構造と疎な GND ビア構造の比較

大まかに言えば、すべての指標においてダイアモンド ジョグ ブレークアウトの方が同等か良いシミュレーション結果となっています。密な近接 GND ビアの方が、疎な近接 GND ビアよりもわずかに良好です。第 1 層と第 3 層の信号トレース間のクロストークを最小にするには、第 2 層の GND キープアウトを円形にする必要があります。また、次の例に示すように、この構造の下層にも GND キープアウトを配置する必要があります。

図 2. GND キープアウト

次の図に示すように、密と疎の両方の GND ビア近接環境において、ダイアモンド ジョグ ブレークアウトと対角ジョグ ブレークアウトの挿入損失は、1dB の範囲内でした。

図 3. 差動、コモン、およびシングルエンドの挿入損失

次の図に示すように、密と疎の両方の GND ビア近接環境において、ダイアモンド ジョグ ブレークアウトと対角ジョグ ブレークアウトの反射損失は、1dB の範囲内でした。

図 4. 差動およびコモンの反射損失

次の図に示すように、密と疎の両方の GND ビア近接環境において、ダイアモンド ジョグ ブレークアウトと対角ジョグ ブレークアウトの差動 TDR (時間領域反射測定) インピーダンスの差は 3Ω の範囲内でした。TDR は、導体に沿った反射波を測定します。

図 5. 32.75Gb/s GTY、立ち上がり時間 21ps の差動 TDR インピーダンス (Z)

次の図に示すように、密と疎の両方の GND ビア近接環境において、ダイアモンド ジョグ ブレークアウトの方が対角ジョグ ブレークアウトよりも良好です。

図 6. コモン モードから差動モードへの変換