複数ビアを使用するソリューション

1mm ピッチ BGA で銅配線間のクロストークを低減させる方法 (WP547)

Document ID
WP547
Release Date
2022-09-23
Revision
1.0 日本語

製造プロセスが改善されたことで、コストの増加や歩留まりの低下をほとんど伴わずに、PCB 上でより小さいサイズのビアを使用できるようになりました。

安定した PCB 製造に向けてより厳密な規則を課すことで、新しいソリューションが可能になったのです。従来型の 1 ピン 1 ビアのソリューションの代わりに、同じスペースに複数の小さいビアを使用できます。配線の出口経路を確保するため、ビアを追加する際には水平方向にのみ追加することが重要です。また、ピン パッド サイズは、できるだけ通常の 80% まで削減する必要があります。下図の例では、ピン パッド サイズを 0.4mm/15.75th (スモール ピッチの BGA デバイスでも許容できるサイズ)まで削減しています。これにより、ビアを追加するスペースが確保されます。新しいビアがグランドに接続されると、隣接する信号間のクロストークが削減されます。次の図では、BGA ピンとビアのサイズが小さくなり、高速差動ペアなどのノイズ源となる信号の周囲に複数のビアが追加されています。

図 1. BGA ピンとビアのサイズの縮小

次の図は、製造規則に則った設計でありながら、BGA ブレークアウトに内部レーンを使用できることを示しています。

図 2. 内部レーンを BGA ブレークアウトに使用

次の図では、新しいグランド ビアをハイライト表示しています。

図 3. 新しいグランド ビア

次の図では、赤丸で囲まれたペアがノイズの発生源となり黄丸で囲まれたペアがノイズの影響を受けます。この方法でシミュレーションした結果、クロス トークが抑制されました。

図 4. ノイズ源となる信号とその影響を受ける信号