DDC チェーンのアーキテクチャ

AI エンジンによるデジタル ダウンコンバージョン チェーンのインプリメンテーション (XAPP1351)

Document ID
XAPP1351
Release Date
2021-02-15
Revision
1.0 日本語

このセクションでは、DDC チェーンのアーキテクチャと機能について説明します。DDC チェーンへの入力は、1 つ以上の無線周波数 (RF) または中間周波数 (IF) キャリアで構成されるコンポジット信号です。DDC チェーンの出力は、ベースバンド サンプル レートの 1 つ以上のキャリアであり、後でさらに処理されます。DDC チェーン内では、次の手順が実行されます。

  1. ミキシング: 選択されたキャリア周波数からベースバンド周波数へ、信号スペクトラムをシフトします。
  2. 間引き: サンプル レートを低減します。
  3. フィルタリング: 隣接チャネルを削除し、エイリアシングを最小限に抑え、受信信号対ノイズ比 (SNR) を最大化します。

次の図に、DDC チェーンのアーキテクチャの例を示します。A/D コンバーター (ADC) は、アナログ信号をサンプリングして DDC 処理チェーンに供給します。オプションにより、次の図のデジタル RF 処理ブロックに示すように、初期周波数変換 (通過帯域からベースバンドへ中心周波数をシフト)、RF 処理、および追加のフィルター (間引き) 機能を配置し、DDC 機能の前に実行できます。

このアプリケーション ノートは、次の図のデジタル ダウン コンバーター ブロックに示す、メイン ミキサーおよびフィルター機能を対象とします。ハーフバンド フィルター (HBF47) は、入力信号を 2 分の 1 に間引きます。4G 5 キャリア (5c) LTE 20MHz 信号の場合、選択されたキャリア周波数の 5 チャネルがミキサーによって抽出され、続いてフィルター チェーン (HBF11/HBF23/FIR89) がサンプル レートを 30.72MSPS に低減します。5G NR 1 キャリア (1c) 100MHz 信号の場合、ミキサーから入力される信号は直接 FIR199 に送られます。5G NR の遷移帯域は LTE よりはるかに狭いため、5G NR チャネル フィルターの方がタップ数が多くなります。この事例では、5G NR 100MHz キャリアに 199 タップのチャネル フィルターを使用しています。

図 1. DDC のブロック図の例