ウィンドウとデータ バッファーの共有

AI エンジンによるデジタル ダウンコンバージョン チェーンのインプリメンテーション (XAPP1351)

Document ID
XAPP1351
Release Date
2021-02-15
Revision
1.0 日本語

手動で管理されるオーバーラップにより、次の図に示すように、複数のキャリアおよびフィルターが、同じ入力ウィンドウと出力ウィンドウを共有できます。キャリアが 5 つある 20MHz LTE の場合、ウィンドウは各キャリアに 1 つずつ、5 つのバッファーに論理的に分割できます。キャリアが 1 つしかない 100MHz 5G NR の場合、5 つに分割されたメモリ空間のうち前半の 4 つが 100MHz キャリアに割り当てられ、残りの 1 つは使用されません。手動で管理されるオーバーラップを使用するカーネルは、入力ポインター、オーバーラップ ポインター、および出力ポインターの位置が適切に指定されていれば、1 つのカーネルで同じタイプのすべてのキャリアを処理できます。

図 1. 5 つの HBF によるウィンドウの共有

AI エンジン内ではサンプルが順に実行されるため、手動で管理されるオーバーラップを使用する AI エンジン カーネルは、中間結果メモリをチャネル間で共有できます。次の 2 つの図に示す手法は、HBF23 と FIR89/FIR199 の間で中間結果メモリを共有することにより、AI エンジン メモリを節約しています。中間結果メモリのサイズ (下の図のオレンジ色のブロック) は、メモリを共有しない元の手法の 5 分の 1 に削減されます (図 3 参照)。

図 2. データ メモリを共有する DDC データ バッファー (提案される構成)
図 3. データ メモリを共有しない DDC データ バッファー (元の構成)