相対シーケンス

最新の電源シーケンス ソリューションでは複数のイネーブル ピンを使用して、あらかじめ定義された遅延時間と特定の順番で電源を投入するように VRM に伝えます。複数の電源レールの相対的な立ち上がりは、ターゲット デバイス側でのシーケンスに影響を与えることがあります。

目標電圧の異なる 2 つの電圧を同時に立ち上げると、ターゲット デバイス側でタイミング違反が発生することがあります。2 つのレールを同時に立ち上げた場合の遅延時間 (T2 - T1) がガイドラインに違反した場合、誤ったシーケンスとなります。このタイプの立ち上げにはレシオメトリック ランプが適しており、遅延時間とソフト スタートを設定する際にはレシオメトリック ランプを検討することを推奨します。レシオメトリック ランプでは、電圧の異なる 2 つの電源レールが同時に目標電圧に達するようなタイミングで電圧が立ち上がります。

逐次立ち上がりでは、直前のレールが目標電圧に達した後に一定の遅延時間を置いてシーケンスの次のレールが立ち上がりますが、スルー レートは異なることがあります。Versal デバイスで VRM が応答するスルー レートは、10A/μs (プロセッシング システムのレールの場合) ～ 200A/μs (VCCINT の場合) の範囲が想定されます。このシナリオでは、電圧 A は電圧 B が目標電圧に達してから立ち上がりを開始する必要があります。

次の図に示すように、最終的な目標電圧に達する前に電圧レベルが平坦になると、非単調な立ち上がりになるため、ザイリンクスはこれを推奨していません。非単調な立ち上がりは電源レールに予期しない結果をもたらし、電源レールが正しい動作条件に達しないことがあります。