SYSMON を使用した動作時のジャンクション温度測定

ザイリンクス デバイス向けヒートシンクおよび熱ソリューションの設計 (XAPP1377)

Document ID
XAPP1377
Release Date
2022-06-06
Revision
1.0 日本語

インシステムの熱性能を評価する際は、必ずデバイス内のシステム モニター回路 (SYSMON または XADC) を読み出します。この内蔵 ADC は、オンチップのサーマル ダイオードを読み出すことで正確な温度を測定します。サーマル ダイオードからは、動作中のデバイスのジャンクション温度を得ることができます。デバイスの温度仕様は、ケースやその他の測定点の温度ではなく、常に SYSMON の測定値を基準としています。デバイスが仕様の範囲内で動作していると見なされるためには、SYSMON で測定した温度だけでなく、デバイスのデータシートに記載された温度測定誤差を考慮に入れる必要があります。たとえば UltraScale+ デバイスでは、外部基準電圧を使用する場合、±3°C の誤差があります。この場合、SYSMON の測定値が 97°C (最大動作温度 100°C - 誤差 3°C) 以下なら、デバイスは温度仕様の範囲内で動作していると見なされます。逸脱温度をサポートしたデバイスの場合、SYSMON の測定値は 107° (110°C - 誤差 3°C) である必要があります。Versal 以降のデバイスでは、デバイス テストのばらつきは解消されているため、誤差を考慮せず、測定値をそのまま解釈してかまいません。E および I グレードの Versal デバイスは逸脱温度をサポートしているため、SYSMON の測定値が 100°C でも仕様 (110°C) の範囲内と見なすことができます。SYSMON のデータには、デザイン回路内でアクセスするか、JTAG デバッグ インターフェイスと Vivado ツールを使用してアクセスします。