デザインのデバッグおよび最終決定の段階では、測定データをシミュレーションと熱電力見積もり制約に相関付けることが重要ですが、この手順は見落とされがちです。設計が終盤にさしかかると、測定データを取得して最初の前提条件や制約と比較し、現在のプロジェクトでこれらを改良したり、次のプロジェクトの最初の前提条件を改善したりするだけの十分な時間を確保できないことがよくあります。この手順を実行することで、さらに信頼性の高い形での更新とデバッグ (必要な場合) が可能になります。また、将来の設計においても、前提条件を絞ることによって反復時の最適化と精度が改善されます。
手順としては、まず測定結果 (特にジャンクション温度) とシミュレーションで観察された値を比較します。ここに大きな差がある場合は、より正確な結果を取得できるように熱モデリングを改善する方法を検討します。消費電力の見積もりについては、この熱特性評価の後もデザインは開発と改善を続け、何回も更新を適用できます。XPE および Vivado 電力見積もりに与える熱パラメーターを再度評価して更新することにより、それ以降の更新では固定された熱ソリューションに対する影響をより正確に評価できるようになります。そのためには、先に示した実効 θJA を測定データを使用して求めます。
図 1. 消費電力見積もりのために測定結果から実効 θJA を求める計算式
この新しいデータを、シミュレーション結果の評価 で説明したのと同じ方法で XPE と Vivado に入力します。