ヒートシンク アタッチメントと取り付け

ザイリンクス デバイス向けヒートシンクおよび熱ソリューションの設計 (XAPP1377)

Document ID
XAPP1377
Release Date
2022-06-06
Revision
1.0 日本語

最後に、ヒートシンク デザインの最も重要な部分ともいえるヒートシンク アタッチメントについて説明します。ほとんどのヒートシンク アタッチメントでは、すべてのリッド付きおよびリッドレス デバイスに対して 20 ~ 50PSI の均一な圧力をかけることが最大の目標となります。ただし InFO は例外で、薄い非有機パッケージ基板を採用しているため、必要な圧力は 3 ~ 5PSI です。SOM のヒート スプレッダーに対する目標圧力は 20 ~ 30PSI です。圧力がこの範囲外の場合、次のような問題が起こります。

  • 熱特性の低下
  • デバイスの全体的な信頼性の低下
  • デバイスのコーナーやエッジにかかる応力によるデバイス損傷の可能性

このため、前述のようにザイリンクス デバイスのヒートシンク アタッチメントには接着剤の使用は推奨されません。また、パッケージ基板へのクリップによる取り付けも、ほとんどの場合、次の理由により推奨されません。

  • デバイスへの適切かつ均一な圧力を制御するのが難しい。
  • 振動、落下、またはその他の重力に対する信頼性が低下する。
  • Z クリップでは力が不足し、ヒートシンク アタッチメントを確実に取り付けることができない。

したがって、デバイス周囲の 4 つの等間隔の点に十分な力を印加できる動的マウント (圧力補償) アタッチメントを使用することをザイリンクスは推奨しています。これにより、仕様に適合した適切なデザインが可能になります。具体的には、デバイスの四隅にバネ付きネジを使用する方法が一般的です。それにはボードにスルーホールが必要となることが多いため、PCB レイアウトの前にアタッチメント用のキープアウトを確保し、配線を検討する必要があります。

図 1. 4 本のバネ付きネジを使用したヒートシンク アタッチメントの例